ブルーアーカイブにおいては、「会心ダメージ率バフ>攻撃力バフ」という風潮が漠然と存在するように個人的には感じているのですが、それって実際どうなの? という今更なお話。
ヒマリが実装されると色々書き直したくなって結局お蔵入りになりそうなので今のうちに。
ダメージ計算式
まず、偉大な先達の皆さんが検証してくださった結果、ブルーアーカイブにおいてはダメージを算出するにあたり、以下のような式が用いられていることが判明している、らしい。
【攻撃力】×スキル倍率×乱数×装甲倍率×地形適性×レベル補正÷【防御倍率】×【会心ダメージ倍率】×分割率×被ダメージ倍率
が、正直ぱっと見で自分の手に負えないことがよくわかったので、記事の作成に当たり最低限必要と思われる【】でくくった個所以外は省かせていただく。その上で、今回注目する【攻撃力】【防御倍率】【会心ダメージ倍率】についてそれぞれ調べてみる。
1.攻撃力
攻撃力とはつまり攻撃力では? と思ったがどうも攻撃力ではないらしく、以下のような式が導出されている。
バフ込みステータス=(基礎値+%以外の増加値)×(1+%の増加値)
「基礎値」は基礎ステータス(多分)。%以外の増加値は、攻撃力では絆ボーナスや固有武器による増加値等が該当する。%増加値は装備やバフによる増加分。
また、攻撃力だけでなく、たいていのステータスには上記の計算式が用いられているらしく、後述する防御力や会心ダメージ率(のバフ・デバフ計算)にも当てはまるとのこと。
2.防御倍率
自分のような人間からすると「ダメージの計算なんて攻撃力から防御力引けばよくない?」という感じなのだがそう単純でもないらしく、以下のような式が存在する模様。
防御倍率=(1666.666+防御力)÷1666.666
この辺りまで来ると「そうなんだ」という感想しか湧かない。
3.会心ダメージ倍率
会心ダメージ率自体は攻撃力の項で述べた計算式のとおりだが、「会心ダメージ抵抗率」なるステータスがあり(チェリノや水着イズナのNSに書いてあるあれ)、それを減算した後の倍率で式に組み込まれることになる。正直会心ダメージに関する仕様の時点で個人的にはよくわかっていないのだがここでは割愛する。
なお、会心ダメージ抵抗率については、一部の敵以外はおおむね50%で統一されている模様。
(申し訳程度の)式と具体例
だらだらと上に書いた内容をまとめると、おそらく以下のような式になる。
ダメージ=【攻撃力】÷【防御倍率】×【会心ダメージ倍率】
→攻撃力*(1+攻撃力%バフ)/((防御力+1666.666)/1666.666)*((会心ダメージ率*(1+会心ダメージ率%バフ)-会心ダメージ抵抗率)
とはいえ式をぱっと見ただけでは、というよりじっくり見ても自分には全く理解できないので、思いついたパターンを適当に当てはめてみる。
1.パッシブスキル「攻撃力/会心ダメージ率を26.6%増加」を用いた比較
まずは同じ条件で比較してみようとということで、もっともポピュラーなバフスキルの一つである、パッシブスキル「攻撃力/会心ダメージ率増加」で作成してみた。
なお、「会心ダメージ」は面倒なので「CD」と表記した他、攻撃力及び防御力については適当にきりの良さそうな値を、CD率については生徒達の標準的な数値である200%を、CD抵抗率については先述した標準値50%を代入している。
バフなし | 攻撃力PS | CD率PS | |
---|---|---|---|
攻撃力 | 5000 | 5000 | 5000 |
攻撃力バフ | 0 | 0.266 | 0 |
防御力 | 2000 | 2000 | 2000 |
防御倍率 | 2.200 | 2.200 | 2.200 |
CD率 | 2 | 2 | 2 |
CD率バフ | 0 | 0 | 0.266 |
CD抵抗率 | 0.5 | 0.5 | 0.5 |
ダメージ量 | 3409.090 | 4315.908 | 4618.181 |
バフなしとの比較 | 1 | 1.266 | 1.355 |
というわけで、攻撃力バフが額面通りの上昇値になったのに対し、CD率バフはなぜか26.6%を上回る結果となった。とりあえず「CD率バフ>攻撃力バフ」という風潮がどうも事実らしいことは確認できたが、なぜそうなるのかはわからなかった。
2.攻撃力/防御力を増減させた場合
次に、攻撃力の高い生徒ほど攻撃力バフの効果は高まる=攻撃力が上がればどこかの時点で効果が逆転するのでは? と考え、少し数値をいじってみた。
バフなし | 攻撃力PS | CD率PS | |
---|---|---|---|
攻撃力 | 100000 | 100000 | 100000 |
攻撃力バフ | 0 | 0.266 | 0 |
防御力 | 2000 | 2000 | 2000 |
防御倍率 | 2.200 | 2.200 | 2.200 |
基礎CD率 | 2 | 2 | 2 |
CD率バフ | 0 | 0 | 0.266 |
CD抵抗率 | 0.5 | 0.5 | 0.5 |
ダメージ | 68181.803 | 86318.163 | 92363.616 |
バフなしとの比較 | 1 | 1.266 | 1.355 |
結果は全く変わらず。念のため低い値(1とか)でも試してみたが強化倍率に変動はなかった。表は省くが防御力に関しても同様の結果が得られた。攻撃力・防御力については乗算/除算=あくまで割合での変動であり、CD率も等しく影響を受けるので当然と言えば当然なのだろうか? よくわからない。
3.CD抵抗率を増減させた場合
となると必然的に固有値・減算で組み込まれているCD抵抗率が怪しいため、同値を上げた/下げた場合で式を作成する。
バフなし | 攻撃力PS | CD率PS | バフなし | 攻撃力PS | CD率PS | |
---|---|---|---|---|---|---|
攻撃力 | 5000 | 5000 | 5000 | 5000 | 5000 | 5000 |
攻撃力バフ | 0 | 0.266 | 0 | 0 | 0.266 | 0 |
防御力 | 2000 | 2000 | 2000 | 2000 | 2000 | 2000 |
防御倍率 | 2.200 | 2.200 | 2.200 | 2.200 | 2.200 | 2.200 |
基礎CD率 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
CD率バフ | 0 | 0 | 0.266 | 0 | 0 | 0.266 |
CD抵抗率 | 1.000 | 1.000 | 1.000 | 0 | 0 | 0 |
ダメージ | 2272.727 | 2877.272 | 3481.817 | 4545.454 | 5754.544 | 5754.544 |
バフなしとの比較 | 1 | 1.266 | 1.532 | 1 | 1.266 | 1.266 |
画面左半分がCD抵抗率を0.5→1に上昇させた場合で、右半分が0.5→0に減少させた場合。
見てのとおりCD抵抗率が上がるとCD率バフの優位性が高まり、逆に0になると攻撃力バフと効果が変わらなくなる、という結果になった。結果になったが数字を扱う素養がないのでこれ以上話を進めることができない。結局明らかにできたのはこの記事を書いた意味があまりないということだけだった。
まとめ
らちが明かないので強引かつ適当にまとめると、「会心ダメージ率バフは敵の会心抵抗率が高いほど攻撃力バフよりも効果が上がる」という結論になった(のだろうか?)。
もっとも、会心ダメージ率バフは会心ダメージが発生してくれないと効果を発揮しないので、その辺を踏まえた最終的な期待値としては攻撃力バフとどっちが上なの? とは思ったがとても手に負えなさそうなので断念。とりあえず最大値なら会心ダメージ率バフ、別の言い方をすると会心が出るまで殴り続ければ会心ダメージ率バフの方が優れているという結論になるはずです。
おまけ:攻撃力バフ何%ならアコEXを超えられるか
もし仮に今後アコのような単体火力バフの攻撃力Ver.が登場した場合、どの程度の倍率ならアコEXの効果(会心ダメージ率73.3%増加)を超えられるのか個人的に気になったので概算してみたところ、97.333%でほぼ同値になるという結果になった。もっともこれは会心ダメージ抵抗率が50%の相手の場合であることは留意しておきたい。仮に、例えばだが、同ステータスが80%ある相手の場合は、肩を並べるのに約122.167%の倍率が必要になるらしい。
20230805追記:CD率バフ>攻撃力バフの理由
意外とこのクソ記事を見ている人がいるらしく、恥をさらしたままにしておくのもあれなので手遅れかもしれませんがこっそり追記しておきます。
CD率のバフが攻撃力バフを上回る、というか本来の倍率を上回った上昇率が出るのは過去の自分が着目したようにCD抵抗率が関与しています。
ブルアカのCD率の場合、基礎値(200%)×バフ(26.6%)後にCD抵抗率(50%)を減算するので、攻撃力バフの場合のようにバフ後/バフ前を比較して上昇率を求めるのではなく、(200*(1+0.266)-50)/(200-50)すなわち当初(200%)の値と計算後の値(203.2%・150%)の変化の幅を比較している……と書くとわかりやすいんでしょうか(なんか同じこと言ってないかこれ)。
あるいは計算の構造に着目すると、分母と分子両方に同値の減算値が組み込まれると、小さい値の方がより大きな影響を受ける(分母がより小さくなる)ので結果として伸び幅が大きくなる、といった感じでしょうか。うーん。正直自分も言語化できるほどすんなり理解できているわけではないので……。
一応表化してみたもの(できているかは不明)を置いておきます。
CD率(A) | CDバフ(B) | CD抵抗(C) | バフ後CD率(D) | 比較(D①/D②) | D/A(E) | 比較(E①/E②) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
①CD率PSあり | 2 | 0.266 | 0.5 | 2.032 | 1.35 | 1.016 | 1.35 |
②CD率PSなし | 2 | 0 | 0.5 | 1.5 | 1 | 0.75 | 1 |
とはいえブルアカは雰囲気で楽しむものなのでこういうゴチャゴチャした計算とかは正直気にしなくていいと思います。自分も全く気にしてませんが毎日元気に楽しく遊ばせてもらってます。